03.08
過去と現在、未体験のゾーンの比較 Part1
2月22日、日経は1989年12月に付けた最高値38915円をついに捕え、そして更には3月1日には40000円という大台に乗せてきたわけです。
実に34年ぶりの快挙となったのですが、一度バブル当時を振り返ってみたいと思います。
かつてバブルの時には日本の好景気に浮かれ誰もが日経株価40000円到達を信じて、何なら50000円も視野に入れていたのです。
国営企業であった日本電電公社がNTTとして民営化し株式公開した事で株価が跳ね上がったのをきっかけに、それに乗じて一般投資家の誰もが株式取引に参入していったわけです。
当時技術で世界のトップにいた日本の電化製品や自動車はアメリカでもバカ売れしていたのですが、プラザ合意によって一時的に円高不況に陥ります。
そこで政府は公定歩合を下げ企業を守る政策をとり、国内需要を高めていくのですがこの産物として国内の土地価格が高騰していくということにも発展します。
株式バブル、国内需要による好景気、不動産バブルです。
日本企業がニューヨークのビルを買い占め、このままいくとアメリカを追い越し世界一の経済大国へ行くと信じていたわけです。
株価時価総額は世界トップ20のうち10を独占し、NTTは1位という空前の好景気であったのです。
さて、資本主義の宿命ともいえる問題が出てきます。
行き過ぎた好景気はいつもの時代も「貧富の格差」を生み出します。
政府はインフレの過熱を冷やす目的で大蔵省と日銀は公定歩合引き上げによる金融引き締めを実施するのですが、これが引き金となり、翌年10月に株価は一気に20000円割れにまで落ち込むのです。
実に最高値から50%の下落です。
大半の企業にとって株価暴落は大打撃です。
東京証券取引所に上場している企業の総株価が1989年より611兆円から半分の269兆円に大暴落。
当然地価も大暴落して、企業は多額の不良債権を抱え、ここに日本のバブル景気は破壊したわけです。
この後は日経平均は下落の一途をたどり、2000年のITバブルで盛り返しを見るのですが、それも一時的に終わり2009年にはついに7000円を割り込んで最安値6994円を付けることになるのです。
次回に続きます。
コメント
この記事へのトラックバックはありません。




この記事へのコメントはありません。