先物とかFXのトレードやってるとストレスで負けてしまうのが多いのです。実際その辺りはどう克服していけば良いのでしょうか? |
こういう疑問にお答えします。
結論から言うとストレスは中々克服できるものではないので、最初から極力ストレスを感じない方法を選んでトレードするのが良いと思います。
そういう意味でスキャルピング・トレードをお勧めします。
他のトレードスタイルと比較しながら解説していきます。
日経225先物トレードを31年間続けている僕(オレンジ)が解説します。
- 31年間日経225先物トレードで生きてきています
- 月2~4人のマンツーマンセミナーを15年来やってきています
- 海外証券会社で社内ディーラーの教育をやっています
トレードでストレスを感じる時は?
トレードしていてストレスを感じるのはどういう時なのかを考えていきます。
- ポシジョンを長い時間保有しているとき
含み損がある時、人はストレスを感じます。反対に含み益を見ると人は出来るだけ早く利食って安心したいと思い、決済するまではストレスを感じています。どちらの場合でも保有時間が長いほどストレスは大きくなっていきます。
- 勝率が低いトレード
人は勝率の低いトレードではストレスを感じます。
それは勝率は低いけれど利益率は高いという手法でトレードした場合を考えると良く分かります。10回トレードして7回は負ける、しかし残りの3回で大きく稼げるというトレードは良くあります。トータルでは利益が残るのだから7回の負けはひたすら我慢する。あなたはこんなトレードを何年も続ける事が出来るでしょうか?
トレードでストレスを感じる要因は大きくは以上の2つです。
この記事ではそれらストレスを克服するのではなく(克服は無理があると考えます)最初からストレスの無いトレードスタイルを選択する方向で解説していきたいと思います。
トレードのスタイルは3つです
最初にトレードにはどういったスタイルがあるのかを見ていきます。
スウィングトレード
エントリーしたポジションを翌日まで持ち越す。
市場の動きを追いかけながら数日から数週間持ち続ける事もあります。
デイトレード
ポジションは必ずその日の内に決済するスタイルです。
市場の動きによってポシジョンを数分から数時間持つのが通常です。
スキャルピング
このスタイルはエントリーから決済まで数秒、長くて数分というトレードです。
3つのスタイルの中で最もポジションの保有時間が短いトレードスタイルです。
トレードには3つのスタイルがあり、それぞれのポジション保有の長さが分かったと思います。
では次にそれぞれのメリットとデメリットを見ていきましょう。
スウィングトレードのメリットとデメリット
メリット
- 市場の大きな動きを狙うトレードなのであまり細かい動きは見なくてよい。
- チャートや価格のチッェクを頻繁にする必要がないのでパソコンに張り付かなくてもスマホなどで外出先からできる。
- 市場のトレンドが続いた時は大きな利益を狙う事が出来る。
デメリット
- 大きな利益を狙うトレードなので逆にロスカットも多めに取る必要がある。
- 長い期間ポジションを保有するので、決済するまで価格の上下動を見る事になる。(一度乗った含み益が途中減っていくのを見るのはストレスとなる。)
- 世界規模の有事(軍事的危機、経済危機、自然災害など)に遭遇する可能性が高い。(もし買いポジションを持っていた時に有事に巻き込まれたらそれだけで資金を失う事がある。)
人はストレスを感じる時間の長さやリスクの大きさでプレッシャーを感じるところがあります。保有時間が長く、そして有事に遭遇する可能性の高さなどの理由でスウィングトレードはトレードにおけるストレスという観点から見れば、どうしても心理的には辛い所があるようです。
デイトレードのメリットとデメリット
メリット
- 1日の中で何度も売り買いの回転売買が出来る
- スウィングトレードと比べるとポジション保有時間は短いのでストレスは軽減される
- ポジションを翌日まで持ち越さないので有事に巻き込まれる可能性は少ない
デメリット
- スウィングトレードと比べるとチャートのチェックは多い
- ポジション保有は短時間だがそれでも保有中の含み益の上下動を見るのはプレッシャーがある
- 勝率と利益率のバランスを考慮した手法が必要となるので実は難易度が高い
1日の中で何度も回転売買をするというスタイルは一見理想的に思えるが、リスク(損失)とリワード(利益)のバランスを取りながら、なおつか勝率を高めに持っていって利益を出す手法はそう容易く作れるものではありません。
なぜ勝率の高い手法が必要かと言うと、人がストレスを感じるのは勝率の部分が大きい割合を占めるからなのです。
スキャルピングトレードのメリットとデメリット
メリット
- 市場の小さな波を取りに行くトレードなので1日の中でのチャンスが多い
- ポジション保有時間は数秒から数分なので非常にストレスが少ない
- 空いた時間を利用してトレードが出来る
- 有事に遭遇する可能性は極めて少ない
デメリット
- 1回のトレードで狙える利益額は小さい
- 細かい動きを追いかけるのでトレード中は集中しなければならない
- 小さな利益を積み重ねるスタイルなので1回のロスカットでそれまでの利益を失う可能性がある
スキャルピングはポジション保有時間が最も短い事からストレスはほとんど感じない手法です。ただ最大の難点は積み上げた利益を1回の損切で失ってしまう危険性を持っているところです。
その難点を上手く対処していく方法を考えないと、ただ心地よさだけを求めてトータルでは利益が出ないトレードになってしまいます。
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スキャルピングトレードを極める
ここからはスキャルピングの難点である1回の損切でそれまでの利益を一気に吹き飛ばしてしまう部分を解決する方法を書いていきたいと思います。
難点を解決してスキャルピングの持つストレスが無いというメリットを生かしつつ、勝率も高く更にトータル利益でも稼げる手法を極めて行きます。
理想的なスキャルピングトレードは
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トレードをするポイント
スキャルピングだからといって何時でもどんな場面でもトレード出来るのではありません。
これはデイトレやスウィングでも同じことがいえるのですが、スキャルピングトレードにおいても確実に利益を上げられるしっかりとしたロジックでなければなりません。
究極のスキャルピングを完成する為に先ずは勝てるロジックを見ていきましょう。
トレードは突き詰めればサポート・レジスタンスのブレイである
僕はトレードの世界に足を踏み入れた27年前から今日に至るまで一貫してこれを基本としたトレードを続けてきました。
サポート(下にある抵抗線)にしろレジスタンス(上にある抵抗線)にしろ全てのトレードは抵抗線の場面で行うというのが僕の考えです。
抵抗線にはどんなものが考えられるのか?
詳しく書いていくとこれだけで1冊の本になるので、ここでは簡略して並べていきます。
- 過去に出来たはっきりとした高値
- 過去に出来たはっきりとした安値
- 上方向トレンドの中の押し目ポイント
- 下方向トレンドの中の戻りポイント
- 何度もトライしたが抜けていないレジスタンス
- 何度もトライしたが抜けてないサポート
- 過去に大きな動きを作った起点となったポイント
実際のトレードで効果的に使える抵抗を上げました。
これ以外にも
- 移動平均線(MA)
- ボリンジャーバンド
- トレンドライン
など一般に抵抗として使われるものもありますが特に僕は使いません。
(僕は使わないだけで使えないと言ってるのではありません 誤解のないように)
抵抗線をどのように使ってトレードするのか?
抵抗線だから必ず跳ね返るのか?いいえそうではありません。
レジスタンスではそこを抜こうとする買い方と、そこで跳ね返してやろうとする売り方の攻防が激しくなります。
反対にサポートではここからは下げたくない買い方と抜いて更に下へ持っていきたい売り方の戦いが強くなります。
戦いのある場所でのトレードは実は難しいのです。
スウィングトレードでは抵抗線が抵抗として機能するのか(跳ね返るのか)、それとも破られるのか?しっかり見極めてトレードに乗る必要があります。
つまり抵抗線でのローソク足の動きを観察し、跳ね返ったまたは確実に抜けた事を確認してからエントリーするのが望ましいと思います。
それでも「だまし」に会う事は多々あります。
跳ね返ったと見えてもその後に抜けていってしまった。
或いは抜けたと確信したのに結局また反転して戻ってしまったというのは常にあります。
スウィングトレードはそんな「だまし」での損切に耐えながら、きっちり捕らえた時にトレンドに乗って大きく利益を得る手法ですからある意味我慢のトレードです。
デイトレードでも抵抗線で「だまし」にあうのは同じです。
スウィングよりも短いスパンで狙うトレードですから、もっとエントリーの判断はタイトにしなくてはいけません。
早めの判断でエントリー、決済をしていく必要があります。
そうしなければリスク(損切)とリワード(利確)のバランスが崩れてトータルで勝てないトレードになってしまうからです。
ではスキャルピングトレードではどうでしょうか?
もちろん抵抗線での跳ね返りか抜けかの判断は簡単ではありません。
しかし例えば10円、20円を狙うトレードだとしたらスウィングやデイトレードの様にそこまで細かい判断は必要としないのです。
価格が抵抗線に来た時に注意を集中して反転したと見たら即座にエントリー、抜けたと見たら即座に付いて行くという「慣れ」は必要ですが、そんなに難しくはありません。
抵抗から100円以上の跳ね返りや抜けを狙うの確かに難しいです。
しかし10円や20円ならそれ位は動くだろうというのを狙って行くのがスキャルピングなのです。
未来は誰にも分からないのが相場ですから、先を読む必要がない僅かな動きだけを狙って行くスキャルピングなら初心者トレーダーでも利益を上げやすいシンプルなトレードだと思います。
リスクリワードを考えてトータル利益に持っていく
いよいよ今回の記事「スキャルピングを極めてストレスの無いトレードを」の核心の部分にやってきました。
10円20円を取りに行くのなら勝率の高いトレードが可能です。
勝率が高いとはすなわちストレスのないトレードと言えます。
元々スキャルピングはポジション保有時間が短いのでその点でのストレスもありません。
ただここで注意したいのはいくら勝率が高いとはいえ10円20円という薄利で利益を積み上げていくトレードでは、たった1回のロスカットでそれまでの利益が一気に吹き飛んでしまう危険性があるという事です。
これでは何のためのトレードなのか分かりません。
そこでスキャルピングトレードの勝率はどれだけ必要かを考えてみます。
例えば 利食いは 20円で 損切は 30円でトレードすると仮定します。 この場合必要な勝率は 60%以上となります。 もし勝率70%のロジックだったら トータル+50円となります。 10回トレードして+50円 |
上記の計算からこのスキャルピングは
- 70%と高い勝率が必要
- 10回トレードして+50円
勝率70%はスキャルピングならこれぐらいは必要なのは当然と考えてください。
動きの出る抵抗場面を利用して20円の利益を取りに行くトレードは確率が高いトレードで勝率70%は出せます
さて10回トレードして+50円ということは
225先物を1枚でトレードなら+50000円の利益となります。
- 自分の可能な時間に合わせて1日に1~2時間ほどトレードする。
- 1日2回スキャルピングして1週間に10回トレードで+50000円
- 月トータルで200000円の利益となります。
今回は最も基本のシステマチックなスキャルピングということで、この結果に留めておきます。
この結果を十分だと思う人もいれば、ちょっと微妙だと思う人も居られると思います。
この先は資金マネージメントを加えたトレード法で利益高を上げていき「究極のスキャルピング」を解説していきますが今回は長くなるので次回とさせていただきます。
まとめ
人がトレードを長年続けていくためにはストレスは大敵です。
短期間なら我慢も出来るけれど長年となるとどこかで息が途切れてしまうものです。
ですからストレスを我慢するのではなく、最初からストレスの極力少ないトレードを選ぶべきだと僕は考えます。
実際僕が31年間一貫して続けてきたのはスキャルピングトレードです。
僕の様なストレスに弱い人間がそれでも長年トレードで生きてこれたのはこのスキャルピングトレードのお陰です。
あなたもトレードで飯を食って行こうと決意されてるなら、是非ともストレスのないスキャルピングトレードを選択肢に入れる事をお勧めします。
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