2017
12.27

最前線で稼ぐトレーダーはタイムマシンを持っているのか?

Trade

僕は長年トレードの世界で仕事をしてきた中で、いろんな相場界の人たちと繋がりが出来てきました。

そんな環境で自己のトレードをする傍ら、友人がCEOを務める証券会社での仕事も任されるようになって。

 

証券会社は顧客とカバー先との間を取り持つのが主の業務ですがそれ以外にも社内で自ら売買も行っています。

僕の仕事はその証券会社の社員トレーダー(いわゆる社内デイーラー)の教育です。

 

社内ディーラーは我々の様な一般トレーダーとは違う何か特別な方法で売買をしているのでしょうか?

いいえ、そんなことはありません。

投資のプロと思われている彼らも何ら奇をてらう手法を持っている訳ではありません。

ただ違うのは発注スピードや手数料など優位な環境で売買できることです。

まあこれは表に出る社内ディーリングでの話ですがそれとは別に証券会社にはもう一つの売買環境が隠されているのです(笑)

 

今回は普通であれば見えない(見ない)、とあるトレードルームの風景を見ていきたいと思います。

 

ニューヨークの中心を走るブロードウェイから下って、マンハッタンとブルックリンを隔てるイーストリバーまでの細い通りが世界の金融センターと言われる「ウォール街」

 

通りの西寄り、ニューヨーク証券取引所に近いオフィースビルの一角にそのトレードルームがあります。

木製のデスクには2枚のモニターと1台の電話だけの簡素なセッティング。

そして左右のモニターには株や為替トレードでよく使うチャートなども無くただ数字だけが映し出されているだけ。

 

デスクに居るディーラーは何をするわけでもなく一日中ただただ2枚のモニターを眺めているだけである。

なんだ?今日はトレードするチャンスは無かったのかな?はじめてこの光景を見た人にはそう感じても当然だと思います。

 

翌日もその翌日も、ずっと数か月先でもこの光景は変わらない。デスクのディーラーが特にトレードする行為は見られない。

けれど実は彼が1日ただモニターを見続けているだけの間になんと数百回ものトレードが行われているのです。

 

ではもう一度2枚のモニターをよく見てみましょう。

左右のモニターはまるで同じ数字が2つ同時に動いているのだが実はよく見ると時たま数字が異なるタイミングがあるようだ。

更に注意深く見ていると、どうやら左のモニターの数字が一瞬早く変わってその後右のモニターの数字が後追いで変わっているようです。

その時間差は長い時間見続けて慣れてきた目でようやく確認できる程度の僅かな差であるようだ。

 

...そうです、これが最先端のトレード風景なのです。

 

左のモニターはまるでタイムマシンに乗っているかのように未来に来るであろう価格が見えているのです。

右のモニターはその後左の数字を追いかける。

これは一般トレーダー誰もが見ているモニターと同じ。

 

もう答えは見えてきたと思います。

 

例えばマイクロソフトの株価が明日には確実に10ドル上がるというのが、今この瞬間に分かったのならあなたはそれこそ銀行へいって預金を下ろし、タンスの中のへそくりも調べなんなら親兄弟、親戚中駆け回って借金するかもしれない。

とにかく全財産をかき集めてマイクロソフトの株を買えば一晩寝たら大金持ちになっているのだから。

 

オフィースには証券取引所と直結したパイプラインが設置され高性能のパソコンに組み込まれたアルゴリズムによって100分の1秒という未来の数字を読み取る。

アルゴリズムが市場価格の歪を見つけ売買のサヤを抜くトレードをコンマ秒で何度も繰り返すわけです。

 

そして一日に何百回もトレードして膨大な利益を稼ぎ出すのです。

未来を知って売買するという完全無敵の信じられないトレードがここでは行われているのです。

 

どうでしょうか?

 

我々一般トレーダーとは全く異次元のトレード手法です。

いや!そこにはトレード手法なんてものは何もないのです。

 

ただどこよりもスピードで勝ることができるかの戦いです。

誰よりも早い売買ができる環境さえ整えたら、後はもう資金が増え続けるだけの世界です。

 

こんなトレードが金融界のトップで行われてるのですから一日パソコンのチャートを眺めてチマチマ売買している一般トレーダーはそれこそ石器時代に石斧持ってマンモス追いかけてるほどの差があると思いませんか?(笑)

 

それでも勝ててるならまだ良い。実に95%の負け組と言われるトレードの世界です。

 

大半の人が獲物を持って帰れずに途中で恐竜に踏みつぶされているのです。

千金を夢見てトレードに足を踏み入れた人達が3ヶ月、1年と消えていく。

それでもまた新規参入が繰り返されるから市場の現状数は常に保たれているのです。

 

アルゴリズムがコンマ秒で稼ぐ相場の世界でやれ移動平均線やオシレーターやらを使うトレードに何の優位性があると思うのでしょうか?

何の根拠もない手法が世間に出回っている「常識」とされているから95%の人がそれを信じてトレードしている世界です。

 

ではそんな虚構のトレード界で一般トレーダーの勝つ術はないのか?というとそんな事はありません。

 

マインドの切り替えと「世間常識」とされる手法ではなくどちらかというと「非常識」と思われる術によって10年20年勝ち続けるトレードーにはなれるのです。

 

大勢の負けトレーダーと違う事をしている5%の勝ちトレーダーは実際に居るのです。

 

このブログではそんな話も書いていければと思っています。

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